刈り込み平均の利用
問題
花子さんと太郎君は先生とともに、水族館に行ってイルカが高く飛び出す様子を見ました。
花 子:水からものが飛び出す様子を調べるには、どんな実験をしてみたらいいかしら。
太 郎:水に浮くものを沈めて、手を離したらどうかな。
先 生:そうですね。まずは、この発泡スチロール球を使って実験してみるといいですよ。
実験1
①水槽に水を入れ、深さと高さを測るためにものさしを水中に入れる。深さは手を離す前の球の上の所から水面までの距離とし、高さは飛び出した球の上の所から水面までの距離とする。
②太郎君が、深さ5cmのところから球を静かにはなす。その様子を、花子さんがビデオカメラで撮影する。
③ビデオカメラで撮影した映像をゆっくり再生し、飛び出したときの最も高い位置での高さを調べる。ただし、球が飛び出す前と後では、水面の位置に変化はないものとする。
花 子:初めての実験は、うまくいくかしら。
太 郎:失敗するかもしれないけれど、とにかく何回かやってみよう。
表1 実験1の結果
花 子:何回かまっすぐ飛び出さなかったけれど、この結果をどうまとめたらいいかしら。
太 郎:算数の授業で学習した平均を求めればいいと思うよ。このまますべての結果を平均すると20cmになるね。
先 生:平均を使う考えはいいですね。ただし、水面から飛び出した球の様子も考えて、求め方を工夫したほうがいいのではないですか。
〔問題1〕
先生の「求め方を工夫」という発言をふまえて、あなたならどのような平均の求め方をしますか。あなたの考える具体的な平均の求め方を書き、そのときの平均を答えなさい。
出題のポイント
平均の求め方をくふうせよ、との条件ですが、仮平均を使った計算の工夫が求められているわけではありません。
「飛び出した球のようすも考えて」と文中にあるので、球がななめに向かって飛んでいるものを実験失敗と考えて、除外することになります。
ななめに飛び出した2回目と7回目は明らかに他の6回と異なるデータになっているので、それを指摘した上で他の6回の平均を実際に計算してみせれば解答としては十分でしょう。
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